ライフコーチとして気になるのは
「やりたいこと」をやっているかということです。
これは従業員だけでなく社長でも例外ありません。
このテーマは誰であっても大きな意味を持ちます。
人間の本質に関わる話ですから。
社長が元気をなくすとき!本当にしたいこと、してますか?
経営の立場からは、売上など
業績面や資金繰りに関心が向きがちです。
しかし人間関係でも
消耗するのは避けられません。
社長も人間です。元気そうに見えても
次第にストレスが蓄積していく可能性はあります。
従業員に気遣いすぎると社長は必要以上に消耗する
仕事量が多すぎるから元気がない?
従業員が元気をなくすとすれば
仕事がキツイからではないかと考えがちです。
確かにムリをさせると従業員の意欲が
低下することがあります。
しかし社長が直接の上司のお株を奪って
仕事量の調整など干渉を始めると
さらに現場での混乱が深まります。
ムリをさせなければモチベーションが
上がるかというとそうでもないのです。
給与水準が低いからやる気がない?
給料を上げれば一時は本当に喜んでくれますが
モチベーションが維持できる保証はありません。
「慣れ」は意外なほど早く訪れます。
目をつぶって実力以上に支給したとしても
肝心の本人はそう思いません。
それだけもらうのが当然と思うために
「むしろ今までが低すぎた」
と不満を覚えるようになります。
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セルフイメージが高いことは
決して悪いことではないのですが
こうなると逆効果です。
転職すれば化けの皮はすぐはがれますが
本人は辞めるつもりはないので
カン違いは当分改善されないでしょう。
問題社員がまた一人増えたことになります。
しかも給与水準を一度上げてしまうと
元の水準に戻すのはかなり大変です。
問題社員を雇った自分が悪い?
採用したけれど、どうも芽が出ないヤツ。
腫れ物を触るように扱う社員の存在は
雇ったあなたの問題なのか
それともその従業員の問題なのか。
人を観る目のなかった自分を責めても
状況は改善しません。
そもそも一緒に仕事していないのに
事前にわかるはずがないのですから。
社長の発するメッセージの重さに自ら委縮?
人事考課に限らず
社長が日頃表現している口調や態度などは
従業員の関心の的です。
「社長がこう言った」という言葉の重みは
時として何年も
その職場を縛るルールにもなります。
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言葉でない表現も実に雄弁なので
無意識にいろいろなメッセージを
発信しているかもしれません。
一方で、それを受取る従業員側の問題もあります。
彼らの勘違いや誤りを
完全に防ぐことは難しいです。
コミュニケーション力や共感力の
高い従業員がいるかいないかで
雰囲気が大きく変わります。
その意味でも
採用が極めて重要なのですが
事前に見抜くことは困難を伴います。
社長!そんなことしている場合ですか?
組織全体で考えると、従業員よりも
社長が与えている影響の方が
はるかに大きいのは間違いありません。
イキイキとしていなければならないのは
誰よりも会社の文化を決定付けている社長ご自身です。
大事なことは従業員の批判ではない
従業員の悪いところにフォーカスしてみても
有益なことはありません。
どのみち、そう簡単に解雇もできないのです。
グチをこぼすなら
どうか従業員のいないところでして下さい。
たとえ圧力をかけたり
言い負かしたりしても本当の教育にはなりません。
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外側から人間を変えることはできないのです。
そもそもそのような扱いをしていて
いずれ社長の右腕になるような
社員に育つと思いますか?
本当はどうしたいの?を自分に聞いてみよう
ですので、視点を変えてみることをおススメします。
・社長が本当にしたいことをしているのか
・したくないことをずっと続けていないか
まずご自身の点検が必要だと思うのです。
社長の今までの判断の集積が
現在の会社の姿を創ってきました。
であるなら、その判断をチェックすることは
現実を変える力になるはずです。
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別の表現をすれば、
今ふさわしい社員が社内にいないなら
あなたがふさわしい存在ではなかったから
・・ということです。
「社長として」何をしてきたかという視点
やらなくてもいい仕事というものは
ないかもしれません。
しかし、社長のあなたが
やらなくてもいい仕事もあります。
社長がやるべきことをしているか
方向を決めるべき社長が方針を示さず
日常のささいなことにエネルギーを奪われていては
やるべきことがおろそかになります。
もちろん段階があって
個人事業のように、ご自身が主力エンジンなら
奮闘する時期もあるでしょう。
しかし従業員を雇う段階までくれば
分業や委任、自動化などを
視野に入れることも増えてきます。
社長が奮闘している姿は
場合によってはイタイ状態と言えるかもしれません。
社長は誰のために働いているのか
たとえ雇用の責任を負っているにしても
最後は自分自身と向き合うことが求められます。
どのみち従業員の一生をサポートすることは
不可能なのです。
であるなら、従業員と
・どのような距離をもつべきか
・自分はどうあるべきか。
答えは様々でしょうが
これを問いかけているかどうかが重要だと思います。
「任せること」ができるか、責任を負う「覚悟」があるか
「任せるにはまだ早いんだ」
「だから自分でやるしかない」
でも本音は
「本当には信頼していないアイツに
重要な仕事を委ねることなんてできない・・」
だから孤軍奮闘しているのではないですか?
任せることができない理由
こうした考えの本心にあるのは
『怖れ』だったりします。
私も部下を任されて以来、ずっとそうでした。
本質的に部下を信用していないのです。
そういう部下の仕事の責任を持ちたくないから
ずっと自分一人でチェックし続けました。
方向を示すのは社長のメンタルしだい
こうした管理職の従業員よりも高いレベルで
覚悟を求められるのが「社長」という立場です。
とてつもなく大変な道だと思います。
組織が大きくなればなるほど
従業員は増え問題は表面化しやすくなります。
でも意味のないことは人生に起きません。
その意味で会社を代表する地位におられる社長には
十分なポテンシャルがあるはずです。
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コンサルはもしかしたら経営面の的確な
アドバイスをくれるかもしれません。
でも本当に大事なのは
社長自身のメンタリティです。
社長の気持ちが変われば
従業員の士気も変わります。
構成するメンバーの意識が変われば
会社だって変わるはずです。