「お金のプロ」会計事務所も高コスト体質だった

「お金のプロ」会計事務所も高コスト体質だった★起業・スモールビジネス

今回はちょっと昔話をしてみようと思います。

一般には敷居の高い「あの業界」の内情を
語ってますが、ちょっと意外に感じる方も
いるかもしれませんね。

変化をし続けることだけが生き残る秘訣・・
とは誰の言葉だったか。

これを念頭にお読みいただければ幸いです。

 

会計事務所とは何か

会計事務所の勤務歴が一番長く全部で20年弱
ぐらいになります。

※詳しくはプロフィールをご覧下さい
⇒ 私が人生から受け取ったもの(別ブログ)

会計事務所には、中心が公認会計士か税理士か
という違いが存在します。

私が勤務したのは全て税理士事務所でした。

資格試験としては、一度にたくさんの科目を
合格しないといけない公認会計士が最難関と
いわれていました。弁護士に匹敵するレベル。

一方で税理士は、期限のない科目合格制でした。
必要な科目5科目が合格できればいいわけですが
それでもかなり難しい試験でした。

<公認会計士>

公認会計士には「会計監査」という独占業務が
あります。監査法人という組織を知っていますか?

上場企業の公表しているデータが信頼に足る
ものか、その企業と契約して調査して
「中身が妥当だ」と意見を表明するものです。

このお墨付きこそが、投資家がお金を出す判断
の基礎であり、株式市場制度の根幹の一つを
担っているのです。

<税理士>

一方税理士には「税務」に関する独占業務が
あります。

会計監査はマーケットが限られていますが
税務は法人+個人事業主が対象となるので
マーケットは比較にならないほど大きいのです。

実は公認会計士は申請すれば税理士資格も
取得することができるようになっています。

この場合、「税務に明るくない税理士」が
存在する余地が生まれます。

また税務署勤務経験から税理士になるルートも
存在します。

税務調査などをバンバンやっていた方と
資料系・窓口系ばかりやってきた方とでは
当然専門性に違いがあります。

ここでも「税務に明るくない税理士」が
存在する余地があります。

実は国家試験合格のみで税理士資格を得ている
人は半数にも及びません。(2019年3月現在)

 

実は設備産業だった

実は設備産業だった

会計事務所という業界は、設備負担が
大変であることを知っていますか?

「箱一杯の領収書をどうにかしてくれる
ものすごく頭の切れる人たち」
そんなイメージをお持ちの方もいるかも
しれません。

このとき必要なのは財務コンピューターです。
集計が終わって申告書を作成する時に使うのが
税務用ソフトという位置づけになります。

財務コンピューターは5年で更新されるように
なっています。

制度が変わったとか、システムが・・とか
いろんな理由をつけて、とにかくソフトも
ハードも新しいものに置き換わります。

そうでない会計事務所もありますが、自分たちで
PCやソフトを選定・メンテできる技術や人員を
確保しているところだけです。

たいていの会計事務所は数人から十数人の規模
であり、システムに明るい人も少ないのが
実情だったりします。

そのため、基幹業務である財務システムを
提供するメーカーのソフトで統一するか
O商会のような包括サービスを提供する業者を
使うケースが大半です。

プライドの固まりのような税理士が、オフコン
営業マンの言いなりになっている図は何度も
見てきました。

ハードに交渉しているように見えても
それがなければ仕事にならないのですから
勝負は明らかでした。

 

高コストが運命づけられている

税制が毎年変わるということも、この業界の
コストを引き上げる大きな要因です。

しかし全ての税制が大きく変わるものでも
ないんですけどね。

給与は年末調整の仕組みが毎年変わるので
仕方がないところもあります。

でも財務システムは大きく変わりません。
今年のように消費税の改正などがあれば別ですが。

ちなみに個人の所得税申告なら国税庁の
システムが無料で使えます。

年々機能が拡張されていて、かなり複雑な
案件でも対応できるようになってきています。

最近の会計事務所ではこちらを使っていたり
するのでしょうか。

もしシステム更新となれば所長先生はもちろん
従業員スタッフの設備も同時更新が必要です。

数人のスタッフ規模でもウン百万かかります。

業界では信頼性で鳴らすブランドものの
システムなら、単なる入力端末でも1台あたり
50万以上していた記憶があります。

デルやHPからPCを購入すれば本体なら
10万円もしない時代。

いかに付加価値がついていたか
(=ボラれていたか)よくわかります。

その証拠に、やたらいろいろな人間が
顔を出してきたりします。

ちょっと勉強すれば営業マン一人で済むものも
技術の人間が複数出張してきたり、設置の
ための応援やバックアップデータを取るため
だけの人員が来たケースもありました。

あっという間に片手ほどの名刺交換をする羽目
になるわけです。

ぞれぞれの人員のコストを最終的に負担する
のは会計事務所ですから、ずいぶん無駄な
動きをするもんだと感じていました。

 

人件費がかさむ

人件費がかさむ

加えて、財務コンピューターには人間の
操作が必要です。

大きな事務所ではパート部隊がバックアップ
してくれることもあります。

しかし、入力のクセなどがあり、そのまま
チェックなしで使えるものでもありません。

少人数の事務所ではそうした分業もないのが
普通でしたから、お客様の顔を思い浮かべながら
データを入力していくわけです。

気が付いた点をメモしたり、統計を取りやすく
するような摘要を入力したりと工夫することもあります。

こうした人件費の負担は大きく、残業代を
吸収することができないところばかりでした。

与えた仕事に対して時間がかかるのは
能力がないからだ・・とばかり。

過去の3つの事務所で1件も支給なしでした。

今の労働基準監督署が聞いたら、顔色が
変わりそうなことを平気で言っていましたね。

収入源である顧問料はさほど上げられないのが
実情でしたから、給与を上げる余地も
乏しかったはずです。

AI(人工知能)に代替されるサービスに
真っ先に挙げられていましたが
当然のような気もします。

 

他業界の内情を詳しく知る意味は

『お金のプロ』『経営のプロ』のイメージの
会計事務所でもこんな有様です。

経営相談する相手が実質的に「火の車」
だったりします。

税金の高い安いのアドバイスは可能かも
しれませんが、事後的に節税できる余地は
ほとんどありません。

特例措置は常に事前に検討が必要であると
考えていた方がいいのです。

利用するならそのレベルでコミュニケーション
できる会計事務所がおススメですね。

 

経営上の矛盾を従業員に押しつけるタイプの
事業はますます難しくなることでしょう。

自分の提供しようとする商品やサービスが
十分な利益を生むものかよく検討するのは
当然ですが・・。

これに加えて、自らの事業スタイルが高コスト
でないかも事業存続のキーとなります。

労働集約型の産業はどんどん形を変えていく
でしょうから、最後は個人のような小回りの
利くスタイルがいいと思いますが
果たしてどうなるか。

私もそれを目指していますが
こればかりはわかりません。

最も強い者が生き残るのではなく、
最も賢い者が生き延びるでもない。
唯一生き残るのは、変化できる者である

これは進化論で有名なダーウィンの言葉です。

 

最後までお読みいただきありがとうございます。

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