初めて富士山に挑戦してきました。
バスツアーの形なのですが、
山岳ガイドさんが頂上までついてくれます。
一般には無理のないペースで高度を上げていきから
登山経験のない人でも「安心」です。
ただ「安心」といっても誰もが登頂に成功
するという意味じゃありません。
危なくないという意味での「安心」です。
体調が悪化すれば、それ以上は登れないのです。
登頂成功率は7割ぐらいと聞きました。
もし、数時間後の頂上へのアタックに際して
体に異変を感じたらどうしますか?
富士山で恐怖と戦った話/山小屋での究極の選択
ガイドがいれば、比較的安全な行程を用意し
ペースメーカーの役割をしてくれます。
3000mを超える高さにある山小屋で仮眠して
夜中に再出発。明け方直前に登頂するような
コースを設定してくれるのです。
結果から言うと、家族全員登頂に成功しました。
しかしその途中で、(ちょっと大げさですが)
私は死を意識するほど追い詰められました。
そのお話をシェアしたいと思います。
あなたならどうしますか?
家族全員が山小屋で仮眠を取り始めました。
5時間後には出発です。
出発前日に3時間ほどしか寝ていないのに
私は眠れずにいました。
カラダを横にしたとたんドキドキのリズムが
変調していることに気が付いたからです。
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「不整脈」を発症していました。
症状が出なくなってもう2年近く過ぎています。
何で今頃・・と言うのが正直な気持ちでした。
疲労の蓄積によるものでしょうか?
低酸素状態が引き金を引いたのでしょうか?
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ガイドからは、万全の状態で挑戦するよう
話を聞いていました。
家族も挑戦するつもりで、一生懸命休息を
とっています。
持病のこの変調を申し出れば、ストップが
かかるのは確実でした。
家族にどう言うべきだろう・・?
一緒にきた友人達にはどう説明しよう・・?
あなたならどのような選択をしますか?
私は暗闇の中で賭けに出た
もし起床時間に頭痛や吐き気があれば
明らかに高山病でしょう。
その時は潔くリタイヤしようと決めました。
ただ低酸素状態で脈が乱れただけなら
血液循環が止まるわけじゃない。
頻脈という状態は、心臓のポンプ機能が十分
でないことを暗示しています。だから回数が多くなる。
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一方で自分よりもはるかに高齢の方も登頂している。
いろいろ考えました。
ふと浮かんできたのは・・・
私の職業の「ライフコーチ」という言葉。
ここで何で連想したのかわからないですが
こういうタイミングには意味があることは
経験的にわかっています。
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ひらめいたのは、
①ライフコーチを選んだのが天命だとすれば
何がどうあっても登山で命を落とすことは
ないはずだ。
となれば、望んだ登頂をやりとげられるよう
助けが得られるだろう。
②もし、自分の勝手な思い込みであれば
この極限状況で阻止されるだろう
・・ということ。
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私は天命を信じていますが
この判断が常識的ではないことは
承知していました。
友人がそういうことを言ったら
確実に阻止していたでしょうから。
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息があがったまま横になっていた私は
天命に委ねることにしたのです。
呼吸法を繰り返しながら、これでどうだ?と
問いかけると、「大丈夫」という短い
フレーズがコダマのように返ってきました。
疲労と睡眠不足がもたらした
幻覚だったかもしれません。
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強行したら最悪死んじゃうかもしれない・・
という怖れもありました。
でも自分をこの道に導いた存在がいるなら
この極限状態でも、わかるようにサインを
与えてくれると信じたのです。
どんな結果でも受け止めると
寝床でひとりハラを決めたのでした。
かろうじて登頂に成功
結果は、無事成功でした。
ただし足を引きずりながらかろうじて
・・という感じです。
あまりの呼吸の速さに過呼吸を
起こしかけていました。
頂上の山小屋で座り込むと、上半身にすら
シビレが来ているのを感じました。
たぶんガス交換的に限界だったのでしょう。
それでもしばらく休むとシビレは消えて
いきました。
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そして念願のご来光!
驚くべきことに
目前に広がる雲海をみているうちに
その雲海から上がってくる太陽の光を
みているうちに
不自然な胸の動悸は消失していたのです。
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何度繰り返し脈をとっても、正常に
なっていました。
答えを示してくれた・・と私はひそかに感動
していました。
最後に
今回ご紹介した私の判断は決して
おススメするものではありません。
単に運が良かっただけかもしれないのです。
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ですが、私個人的には本当に信頼すれば
何が起きるか経験させてもらった気がしています。
もっと『自分』を信じる。
忘れがちですが、大事にしていこうと思っています。
ps.
下山では靴が合わなくて爪を痛め
歩行困難を感じるほどの激痛と戦いながら
降りてきました。
どんなにつらくても、爪の痛みで
死ぬことはない。
それが私を5合目の集合地点まで
導いてくれました。
最後までお読みいただき感謝します。