変化を受け入れることができますか?経営者の判断に必要な柔軟さとは

変化を受け入れることができますか?経営者の判断に必要な柔軟さとは★社長の悩み
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変化を受け入れることができますか?経営者の判断に必要な柔軟さとは

かつて会計事務所時代に親しくさせていたいただいた
ある社長さんの顛末をお話したいと思います。

たった一つの経営判断でこうなる・・という実例です。

社長の「判断の重み」を思い知る出来事として
私の記憶に今でも深く刻まれています。

自分でも戒めにしている内容です。

 

念願の独立

私が担当していたある社長さんは
代理店ビジネスをされていました。

その業界でも誰もが知るような有名な会社で
早々に実績をあげアッという間に
管理職に昇進されていたそうです。

部下も大勢いて、自分の座席から新聞を
読んでるフリをして
開けた穴から様子を見ていた・・

これは本人が笑いながら話してくれた
昔の仕事の様子でした。

∴-∵-∴-∵-∴-∵-∴-∵-∴

バブル時代はとっくに終わっていましたが
その会社は破竹の勢いでした。

CMも良く出ていましたね。

彼は自信をもって自分の会社を
設立したのでした。

 

出会いがビジネスを急拡大させた

出会いがビジネスを急拡大させた

同業での創業ですから、人脈や販路も
そのまま生かせたに違いありません。

代理店ビジネスはあくまで仲介ですから
もとの会社とのパイプを切る必要は
ないわけです。

∴-∵-∴-∵-∴-∵-∴-∵-∴

あるとき営業先の上場会社で、若い担当者と
出会いました。

持ち前の営業力を発揮してというよりは
そのビジネスに不慣れだった若者を指導する
ような形で付き合いが始まったそうです。

徐々に取引量は拡大し、毎週のように
新規契約が決まるなど、蜜月の時代が
続きました。

それに伴い売上は急拡大。

仕事は忙しくなりましたが、アルバイトを
雇うこともでき増収増益を達成。

自信を深めて役員報酬を大幅に上げて
いきました。

私が担当になったのはその頃でした。

 

大得意先に集中投下!順調に業績を拡大

指導していた担当者も実力をあげ
社内でもそれなりの地位に
昇格していたのかもしれません。

彼の提案はことごとく社内の稟議を通り
この社長への仕事の依頼は
切れることなく続きました。

やがて受注の半分どころか
8割近くを占めるに至ります。

1件十数万~数十万の案件を一つずつ
仕上げる一般の案件と

数十万規模の案件が何件も連続して
依頼される上場会社の案件。

経営上、合理的な判断ともいえます。

 

会社の未来を決める究極の選択

未来の選択

そんなとき、事件が起こりました。

大得意先となっていた
その上場会社で組織変更がありました。

広告業務をその会社1社だけに
外注している状況が問題視されたのです。

最終的に通告されたのは
A)大手の競合他社との競争
B)2~3割もの大幅な値下げ
の2択でした。

社長は悩んだ結果、B案を選択し
利幅を下げてでも受注維持を図ったのです。

利益が大幅に圧縮され、余裕がなくなる・・
と私は指摘しました。

「今のペースなら確かに利益は残るけれど
わずかな減少で会社が傾く可能性がある」

彼の結論は変わりませんでした。

 

デジタル化でコスト構造が激変

背に腹は代えられずという状況だったのかも
しれません。

実は代理店ビジネスにも技術革新の波が
寄せていました。

手書きの書類とFAXでよかった入稿が
デジタル化されていました。

すべてパソコンでの処理を
余儀なくされるようになったのです。

∴-∵-∴-∵-∴-∵-∴-∵-∴

社長・従業員は新技術に対応できず
やむなく新たなスタッフを雇用しました。

もともと利幅が限界だったわけですから
赤字に転落するのに時間はかかりません
でした。

数年後、社長はその事業を
たたむことになりました。

夫婦関係にも大きな変化が生じたとは
後に聞いた話ですが。

個人資産もかなり投入していたので
何もかも失ったと感じておられた
かもしれません。

 

何が必要だったのか

自分の会社なのだから
状況が変われば柔軟に対応すればいい・・

でもこれは、外野にいたからいえること。
当事者には難しい判断だったかもしれません。

「必ずしも論理で人は動かない」
このことは行動心理学が明らかにしています。

彼の判断は冷静な分析だったのか。

新しい競争を避けようとする恐怖が下した
結論だったのか。

私が深く心に刻んだのは次のことです。

「自ら変化し続ける覚悟がなければ
 ビジネスを続けることができない」

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令和の時代、環境はさらに変わるでしょう。
あなたのビジネスは硬直化していませんか?

新型コロナウイルスは
その変化の1つに過ぎないのかも。

冷静な判断は
さらに難しくなるかもしれません。

自己の内面との対話を習慣化することは
その助けになるはずです。

 

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