3/15が過ぎました。
個人事業者の方は、確定申告が終わって
ホッとしている時期かもしれません。
自分で申告までやった方は、もう考えたくない・・と
次のことに向かっている方もいるとは思いますが。
世間的には年度末を迎えて忙しい時期ではありますね。
決算書は貴重な経営情報の集まりです。
有効活用することを習慣にしておくと
きっと役に立つ場面があると思います。
確定申告が終わったら・・会計事務所の特別の日
確定申告期限と会計事務所の1日
会計事務所にとっても
特別な意味のある日なのです。
ほんの10年前までは、
お客様の申告書をまとめて
各地の税務署に持参する日でした。
ただ電子申告がかなり普及したこともあって
私が勤めていた頃とは多少違っているかもしれません。
確定申告の提出までの流れ
早い場合には1月のうちに
お客様から資料を預かり
時折質問をはさみながらも、
決算書や申告書の形にまとめていきます。
自分なりに妥当な形になったら
事務所内の内部的なチェック
(多くは複数回あります)を経て
お客様に報告し納税の準備をお願いするのです。
いざ提出を行う特別な日
一方、事務所内では管轄税務署ごとに
申告書をまとめて提出する準備を整えます。
多いところでは1カ所で
60~70人分くらいになることも。
お客様はバラバラの住所なので、
それぞれの管轄税務署を目指して
4~5件ハシゴした記憶もあります。
もちろん、遠方だと郵送です。
スタッフのほっとする瞬間
この日までの消印が必要で
遅れると期限を超えたことになってしまいます。
送り先を何度もチェックするなど
かなり気を使っていましたね。
各地に散ったスタッフが申告書の提出控を
持ち帰ってくるのを待ち
トラブルなく全員が終わると
「お疲れ様~」の声がかかります。
この日ばかりは宴会ムードに突入するのでした。
確定申告書を活用して経営診断をやろう
確定申告書の中身の違い
会社経営者の申告は「給与所得+副収入」の形が多い
資産運用をしていれば
その出来不出来により税額も変わります。
わかりやすい例としては
不動産や株式などですね。
会社から給与をもらっていても
年末調整をしているはずですので、
給与からみで大きく変わることはないはず。
こうした副収入の差で
税額が大きく変わります。
※給与が一定額以上の方は
年末調整しないので、事情は異なりますが。
個人事業主は事業所得が中心
一方、個人事業者の方はどうでしょうか。
事業所得の部分の良否が税額を決める
大きな要素となるわけです。
もちろん不動産収入など
副収入がある方もいますから
そのあたりは会社経営者と変わりません。
決算書を納税計算だけの道具にしない
個人事業主の方を担当して思うのは
せっかくの資料をロクに活用していないこと。
税金の「多い・少ない」しか関心がない?!
そういう印象があるのです。
ですので前年よりも多いと
文句を言ったりもするわけです。
「だって売上増えてるじゃないですか」
「今年は修繕しなかったでしょ」
こういう説明を聞いて
「ふぅん、仕方ないか」という雰囲気に。
自分であまり数字をつかんでいないのですね。
本当は前年比較のチャンス
損益項目だけ比較しても十分に見るべき
ポイントはあります。
売上の伸び、経費の伸び、
経費の種類とその割合・・・。
前年と比較して(可能であれば複数年も)、
傾向をみてみる。
その傾向と自分の認識に
ずれがないでしょうか?
係数管理のコツはシンプル
大事なのは比率と数字の大きさです。
売上の規模が変わっても
結局は上位2ケタぐらいの数字を
把握しておけばいいだけです。
経営診断で使われる指標の大半は
あることの何かに対する割合です。
売上に対する仕入の割合が原価率というように。
ですので、簡単に電卓を入れてみて
「自分の事業のおおまかな割合を把握しておく」
これは結構役に立ちますよ。
大事なことは自分で把握すること
内容の説明をきちんと受けていますか?
ある程度記憶に残っていますか?
説明していてもあまり関心ないのかな
・・と思うことも度々でした。
集計作業を任せるのはOKですが
その後の活用までしないともったいない!
経営センスってそういうところからも
磨かれる気がします。
自分で決算書を作成された方ならもちろん、
形になった決算書をいろいろな角度から
眺めてみてはいかがでしょうか?
申告が間に合わない・・!という方は
まだ申告書提出ができていない・・という
ケースは少ないとは思うのですが、
そういう方のためにヒントを。
3/15中の発送のために速達で
先ほども書きましたが郵送提出では
郵送日のスタンプが3/15以前でないと
期限後申告とされてしまいます。
速達扱いで郵便局の本局に持ち込めば、
日付が変わるまでは大丈夫なはずです。
翌朝までチャンスはある!
日付が変わってしまっても、
まだチャンスがあります。。
税務署には時間外受付用の箱が
設置されています。
営業時間外の受付用の措置です。
入口付近に設置されていますので
封入した申告書一式を入れて下さい。
開かれるのが翌日の早朝です。
明け方に投函しても期限後申告にならないはず。
ps.
申告書の提出控と返信用封筒を一緒に入れておきましょう。
受付印(収受印)を押されて後日返送されてきます。
後日、取引先や銀行などから
提出済の申告書控えを要求されることがあるので
必要な方はお忘れなく。